市の堀用水を巡る

連載「市の堀用水を巡る」その5〜佐貫頭首工から風見発電所へ〜

市の堀用水を巡る
市の堀用水を巡る〜その4
連載「市の堀用水を巡る」その4〜佐貫頭首工〜https://takamaga.com/tanbo/ichinohori/ichinohori210907/ 前の記事よりつづき...

前の記事よりつづき

佐貫頭首工から風見発電所までの流れをたどる

今回は風見発電所までの幹線導水路(鬼怒川中部用水路)をたどっていきます。

市の堀用水

佐野頭首工から取り入れられた鬼怒川の水は、幹線導水路を通り、塩谷町風見山田にある「風見発電所」まで流れていきますが、その導水路は主にほぼ地下を流れているので、地図上でも点線で表されています。

しかし、導水路をたどっていくと、塩谷町内でところどころ地上に出る場所があります。

市の堀用水「主要工事の内容」(出典:市の堀〜市の堀用水沿革史)

「市の堀用水沿革史」に掲載されている、主要工事の内容によると、導水幹線が開渠(地上に出ている水路)の部分が3か所あることが分かります。

それぞれのポイントを巡っていきましょう。

第1号開渠と沈砂池

まずは、佐貫頭首工からもほど近い、県道77号宇都宮船生高徳線沿いに、「第1号開渠」と沈砂池があります。

この部分はGoogleマップでも、川幅が広くなっている場所が確認できます。

沈砂池(ちんさち)とは、利水施設の導入部にある人工池のことです。

市の堀用水
3つに分かれた後、川幅が広がっています。

市の堀用水
この沈砂池では、流れてきた水の中から浮遊物や固体を取り除く役割があります。

沈砂池
3つにわかれた流れは再び1つになり、また山の中の地下へを進んでいきます。


ここからしばらく山の中。

山の手前で、地元を流れる泉川と立体交差しています。

塩谷町上沢の第2号開渠

市の堀用水を巡る
「第2号開渠」は、塩谷町上沢地区付近。
山を抜けた導水路が、またここで地上に出てきます。

市の堀用水

距離にして200mほどでしょうか。

市の堀用水
そして道路の下の暗渠に。トンネルの前には何か文字らしきものが。

市の堀用水
「一簣功潤萬頃」(右から)

漢詩でしょうか?
(すみません、私の力では翻訳できず^^;)

「一簣之功(いっきのこう)」というのは、「仕事を完遂する間際の、最後のひと踏ん張りのこと」を表す四字熟語らしいので、なんとなくそういうニュアンスの言葉だと思われます。

そして、ここからまたしばらく地下に潜ります。

 

第3号開渠〜市の堀用水を“くぐれる”唯一のスポット

次に導水路が出てくる「第3号開渠」は、県道62号大宮佐貫線付近。

ここは、導水路と道路が立体交差するポイントなんですが・・

市の堀導水路

なんと、ここは道路が下で導水路が上になっている「水路橋」なのです。

市の堀用水を唯一くぐれる珍しいスポットでは?
(厳密にはまだ“導水幹線”ですが)

市の堀用水

トンネルの上に川が流れている場所といえば、栃木県内にも「ひばらさんの栃木探訪」でも紹介した那須町の「膳棚水路橋」があります。この橋は土木遺産にも認定されている水路橋です。

参照:

 

市の堀用水

階段を上り、近づいてみると水が激しく流れる音がします。

動画はこちら↓

水路橋は約100mほどの開渠です。

市の堀用水

雨が降った後なので水量がすごかったです。

市の堀用水

ここのトンネルの出口付近にも、文字が彫られています。

「沃水至千萬頃」(右から)と書いてあるのでしょうか。

(追記)
Twitterで2つの石碑の意味を解読していただけた方がおりました。

ありがとうございます。

ここから導水路はまた山の中に入り、次に顔を出すのは風見発電所の手前です。

風見発電所

風間発電所
風見発電所では、約30mの落差を利用して水力発電を行います。

現在は老朽化にともない、平成28(2016)年度から全面改修事業を進めており、令和2(2020)年10月から発電を停止中です。

工事の一般見学もしておらず、発電所カードの配布も一時中止しています。

工事の様子は栃木県のホームページ参照:

 

運転再開は令和5(2023)年4月の予定とのこと。

発電所を通過した水は、ここから「市の堀幹線(東幹線用水路)」と「逆木幹線(西幹線用水路)」の2つに分配され、下流に農業用水として使用されていきます。

つづく

スポット情報

○第1号開渠
栃木県塩谷郡塩谷町佐貫
○第2号開渠
栃木県塩谷郡塩谷町上沢
○第3号開渠(水路橋)
栃木県塩谷郡塩谷町風見山田
○風見発電所
栃木県塩谷郡塩谷町風見山田614

市の堀用水

・「市の堀〜市の堀用水沿革史」(昭和53年発行・石山憲三編)
風見発電所全面改修事業について(栃木県ホームページ)

管理人
ひばらさん
ひばらさん
「たかマガ」管理人。 栃木県高根沢町でグラフィックデザイナーをしています。栃木探訪をしているブログもやってます。趣味はB級スポット巡り、ゆるキャラ、コーヒー、ブログ、ラジオを聞くこと。2人の女児がおります。
\ Follow me /
関連記事