高根沢の社寺仏閣・史跡

たかねざわ史跡巡り〜町内最古の由来碑と安産子育ての桜本地蔵尊(高根沢町亀梨)

昨年、高根沢町観光ガイドブックの取材のため、町民広場にある「高根沢町歴史民俗資料館」へ伺いました。

その中で、気になる展示物があったので、実際の場所を見学してきた話です。

桜本地蔵の由来碑

高根沢町歴史民俗資料館の職員さんに、

「なにかおもしろい文化財はありますか?」

と質問したところ、教えていただいた展示物がこちらでした。

桜本地蔵の由来碑

こちらが「桜本地蔵の由来碑」。
高根沢町亀梨にある「桜本地蔵」の横に立っていた石碑だそうです。

・・ふむ、たしかに地蔵ではなく、その隣にあったという “由来碑” のみが展示されている(お地蔵さんは写真のみ)。

現在でいう“案内看板”みたいなものでしょうか。

この由来碑には、享保3年(1718年)の銘があり、約300年前のものだそうで、町内には約930件の野仏・石碑などが存在しますが、その中でも地蔵の由来碑はこの石碑のみで、「高根沢町内で最も古い由来碑」なんだそうです。

桜本地蔵の由来碑

由来碑は、漢文書きで19行の文章が書かれており、4面にわたり次のように書かれているそうです。

□自作是念□供養衆生 利

奉書写妙法蓮華経全部平等所

得入無一道速成就佛身 益

当処桜本地蔵尊不知何世人所造字置聴野年代甚□□□新也如谷応誓願無不□□祈雨興瘧病二年感応最著□□享保戊戌年□□庵主発願修復念仏鉢四方造営地輪台座等予又企□願石写妙法蓮華経全部而納其下□大士利生深恩□備法界有情成道童子聚渉功用猶成一乗妙行利又順金口書写教勅手因思増上畳石中存寔変□成寂□中者乎当知是処諸神力所護諸天昼夜□□護之仰□□見聞膽禧之群類得見□・・・□菩提供蒙地蔵菩薩二世□道□
享保三年戊戌十月廿四日
□□良運誌願主了然敬白

高根沢町デジタルミュージアム「高根沢町史」民俗編> 高根沢町史 民俗編>桜本地蔵のページより引用)

※□は欠け字

その碑文の大意は
桜本地蔵は享保3年(1718年)以前から祀られ、雨乞いや病難除けの信仰があった。
享保3年、天然痘が流行し衆生が苦しんだため、僧の了然が托鉢して資金を集め、地蔵堂を修復した。そのとき法華経一字一石の写経を成就した、ということが書いてあるそうです。

 

享保3年とは、江戸時代の頃。この年には日本で天然痘が流行し、多くの人が感染しました。当時、天然痘は非常に感染力が強く、治療法も限られていたため、多くの人々が病気や死亡に直面したそうです。

 

まるで、現在の新型コロナウイルスが蔓延している状況が昔もあったわけですね。

桜本地蔵の由来碑
以前「広報たかねざわ」の「高根沢の文化遺産」コーナーでも詳しく紹介されたことがあるそうで、コピーをいただきました(資料館でも配布されています)。

そこにあった説明によると、この「桜本地蔵に関する逸話」もまたさらに興味深い、不思議な内容でした。

なんでも、このお地蔵さんを主守りにしてきた鈴木さん家に代々伝えられている話としては、

明治32年、神のお告げで「桜本地蔵の傍らに地蔵菩薩が埋もれている」というので、手をいれるうちに、傍らから右手に杖、左手に宝珠を持った一尺三寸の地蔵菩薩さまが生まれてきたという。

この地蔵菩薩を安産子育てのお地蔵さまとして祀れば、女性の大厄も災難もなくなりご利益があるという・・

というのです。

これは「桜本地蔵」をぜひ見に行ってみたい!、ということで実際にお地蔵さんを見に行ってみました。

亀梨の桜本地蔵尊

住所を頼りに・・と思っていたところ、これがなかなか見つからない。

そこで、この「桜本地蔵」を代々主守り、管理されている鈴木さん宅に伺いました。

桜本地蔵
お宅に飾られていた桜本地蔵の由来の書。
由来碑の内容が、現代風に分かりやすく書き直されていました。

桜本地蔵の由来碑
そしてお地蔵さまの写真も見せていただきました。

手厚く赤ずきんと腹掛けを幾重にもまかれたお地蔵さまは、4月20日には念仏講が開かれ、ぼた餅を供えるのが慣例だそう。

「近いので、実際に見に行きますか?」

ということで、鈴木さんに桜本地蔵に案内していただけました。

桜本地蔵の由来碑

小高い丘に小さなお堂が建っています。

桜本地蔵
そのお堂の横、名前の通り “桜のもと” に2体のお地蔵さまがちょこんと祀られていました。

桜本地蔵こちらが桜本地蔵さま。

桜本地蔵
どちらが土に埋まっていた方なのか分かりませんでしたが、大小2体のお地蔵さまが並んでいました。

安産・子育てのお地蔵さんとして近隣・近郊では昔から信仰されているそうで、なんでも「子授け祈願」で来た方には、双子が生まれる方も多いとのこと(!)。

桜本地蔵
新しく掲げたという由来看板も取り付けてありました。

お堂の中にもお地蔵さまが祀ってありましたが、それは明治32年の記念行事で建てたものだそうで、「桜本地蔵」とは異なるそうです。

春の桜本地蔵尊

桜本地蔵
資料館の方にお聞きしたところ、名前の通り “桜のもと” に建っているので、「春に見に行くと桜が咲いていて良いですよ」とアドバイスいただき、桜の咲く頃に再び見に行ってみました。

桜本地蔵ソメイヨシノが植栽された小道。

ただこの道、台新田の量山寺横から入る道路なのですが、とても狭いので、見学の際は台新田公民館のほうから入って、田んぼ道を北上するのをおすすめします。^^;

桜本地蔵

桜本地蔵尊の近くの桜は山桜なので、少し葉桜になっていましたが、お地蔵さまの腹掛けがキレイにお着替えされていました。

キジ
お参り帰りにキジを2羽も見ることができました。

吉兆の予感・・・!?

※補足
ちなみに、高根沢町観光ガイドブックには、現地の場所がナビを使っても大変分かりづらい場所であり、駐車場などが設置されていない立地のため、掲載を見送らせていただきました。

由来碑は、高根沢町歴史民俗資料館に展示されており、観覧は無料です。

スポット情報

○桜本地蔵尊
栃木県塩谷郡高根沢町亀梨

○高根沢町歴史民俗資料館
栃木県塩谷郡高根沢町石末1785
入場無料
公式サイト

たかマガ管理人
ひばらさん
ひばらさん
「たかマガ」管理人。 栃木県高根沢町でグラフィックデザイナーをしています。栃木探訪をしているブログもやってます。趣味はB級スポット巡り、ゆるキャラ、コーヒー、ブログ、ラジオを聞くこと。2人の女児がおります。
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