那須烏山市の伝統行事「山あげ祭」が、7月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間行われます。
「山あげ祭」って?
那須烏山市の伝統行事「山あげ祭」は、江戸時代の1560年(永禄3年)から460年もつづく、日本一の移動式野外劇です。
国指定の重要無形民俗文化財にもなっており、2016年には、ユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
この野外劇、道路には地元の特産である「烏山和紙」に山水などを描いた、高さ10メートルにもなる「はりか山」などを路上にあげ、奥行き約100メートルにも及ぶ大きな舞台装置を設置します。

このように、一般の道路を封鎖して、そこに舞台を歌舞伎を作って上演しては、舞台を壊し、また移動して、舞台を組み立て・・と、違う場所で1日5〜6回、3日間上演します。
この動作「“山”があがる」ことから「山あげ祭」なんですね。
山をあげるのは人力です。
作業を行うのは毎年当番町となる若衆の方々。
指揮をとる木頭(きがしら)の拍子木を合図に、場面転換、設置・解体を繰り返します。

舞台が終わると、舞台を解体し、移動し・・というこの一連の“山があげられる”場面もまた、この祭りの見どころの1つなのです。
シンボル「ガマガエル」も登場 山あげ祭の奉納余興
芝居を演じるのは、地元の小中高生たち。
奉納余興は、「将門(まさかど)」や「蛇姫様(へびひめさま)」「戻橋(もどりばし)」などの演目が上演されます。
数々の演目の中でも、もっとも多く行われるのは、「将門」です。
平将門の娘、滝夜叉姫(たきやしゃひめ)が、ガマの妖術を使って再興を果たそうとしているところに、大宅太郎光圀(おおやたろうみつくに)がそれを退治するためにやってきて・・というあらすじ。
「将門」では、山あげ祭のシンボルともいわれる「ガマガエル」が登場します。

毎年違う町が担当するので、ガマガエルは形や色もさまざまな表情があります。
朝から晩まで、町のあちこちを移動しては行われるお芝居。
夜になると、花火や光、煙幕などを使った演出も使われます。
闇の中に出現するガマガエルは、ゴジラのような不気味さを醸し出します。
夜の山あげ祭もまた一興です。
舞台前方の桟敷席は有料ですが、後方から立ち見で無料観覧することができます。
今年の当番町は「泉町」
「山あげ祭」の特色の1つに、烏山町内の6町が年毎に当番町を務める“輪番制”と言うものがあり、泉町→鍜冶町→日野町→元田町→金井町→仲町の順で回ります。
今年の当番町は「泉町」です。
烏山市内を移動しながら1日5〜6回、3日間上演します。

駐車場は、中央公園や市役所職員駐車場、JR烏山支店などに臨時駐車場が設置されますが、上演場所や時間により、通行止めなどがありますので、おでかけの際はホームページ「山あげ祭まるわかりサイト」をご覧ください。
烏山小学校、栃木銀行からは無料シャトルバスも運行します。

JR烏山線の終点・烏山駅からも歩いて見に行けるお祭りなので、高根沢町からは電車で行ってみてもいいかも♪
まだ見に行ったことのない方はぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。
○山あげ祭
日程/2025年 7月25日(金)・26日(土)・27日(日)
栃木県那須烏山市中心市街地、山あげ会館前など
那須烏山市観光協会ホームページ
山あげ祭まるわかりサイト