新型コロナの影響でおととしは中止、昨年は無観客で開催された那須烏山市の伝統行事「山あげ祭」が、今年は3年ぶりに一部制限をかけてではありますが、有観客で行われるそうです。
「山あげ祭」って?
那須烏山市の伝統行事「山あげ祭」は、江戸時代の1560年(永禄3年)から460年もつづく、日本一の移動式野外劇。
国指定の重要無形民俗文化財にもなっており、2016年には、ユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
この野外劇、道路には地元の特産である「烏山和紙」に山水などを描いた、高さ10メートルにもなる「はりか山」などを路上にあげ、奥行き約100メートルにも及ぶ大きな舞台装置を設置します。
このように、一般の道路を封鎖して、そこに舞台を歌舞伎を作って上演しては、舞台を壊し、また移動して、舞台を組み立て・・と、違う場所で1日5〜6回、3日間上演します。
この動作「“山”があがる」ことから「山あげ祭」なんですね。
山をあげるのは人力です。
作業を行うのは毎年当番町となる若衆の方々。
指揮をとる木頭(きがしら)の拍子木を合図に、場面転換、設置・解体を繰り返します。
舞台が終わると、舞台を解体し、移動し・・というこの一連の“山があげられる”場面もまた、この祭りの見どころの1つなのです。
シンボル「ガマガエル」も登場 山あげ祭の奉納余興
芝居を演じるのは、地元の小中高生たち。
奉納余興は、「将門(まさかど)」や「蛇姫様(へびひめさま)」「戻橋(もどりばし)」などの演目が上演されます。
数々の演目の中でも、もっとも多く行われるのは、「将門」です。
平将門の娘、滝夜叉姫(たきやしゃひめ)が、ガマの妖術を使って再興を果たそうとしているところに、大宅太郎光圀(おおやたろうみつくに)がそれを退治するためにやってきて・・というあらすじ。
「将門」では、山あげ祭のシンボルともいわれる「ガマガエル」が登場します。
毎年違う町が担当するので、ガマガエルは形や色もさまざまな表情があります。
朝から晩まで、町のあちこちを移動しては行われるお芝居。
夜になると、花火や光、煙幕などを使った演出も使われます。
闇の中に出現するガマガエルは、ゴジラのような不気味さを醸し出します。
夜の山あげ祭もまた一興です。
舞台前方の桟敷席は有料ですが、後方から立ち見で無料観覧することができます。
今年の当番町は「元田町」
烏山にある6つの町で持ち回りでやっており、今年の当番町は八雲神社のおひざ元「元田町(もとたまち)」です。
上演場所や時間により、通行止めなどがありますので、おでかけの際はホームページ「山あげ祭まるわかりサイト」をご覧ください。
今年も昨年にひきつづき、動画生配信も行われるそうです。
まだ見に行ったことのない方はぜひ♪
○山あげ祭
日程/2022年 7月22日(金)・23日(土)・24日(日)
栃木県那須烏山市中心市街地、山あげ会館前など
那須烏山市観光協会ホームページ
山あげ祭まるわかりサイト
【過去の「山あげ祭」関連記事〜「ひばらさんの栃木探訪」より】
第145回 山あげ祭りを見てきた の巻 ←2009年版
第274回 からあげ祭ではなくて山あげ祭 の巻 ←2010年版
第451回 ナイト山あげ祭 の巻 ←2011年版
第496回 スポレク“エコとちぎ”開会式見てきた の巻 ←スポレク祭オリジナルVer.
第625回 夏が来れば…山あげ祭 の巻 ←2012年版
第782回 今年の山あげ祭 の巻 ←2013年版
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